歴史
その後、1923年(大正12年)に畝傍線(現在の橿原線)、1927年(昭和2年)に八木線(現在の大阪線布施駅 - 大和八木駅間)が全通し、1930年(昭和5年)には信貴線が開業した。現在の京都線は、京阪電気鉄道との合弁会社で、のちに近鉄が合併した奈良電気鉄道の路線に始まる。1927年(昭和2年)9月28日には伊勢を目指して参宮急行電鉄(参急)を設立し、1931年(昭和6年)に宇治山田まで開通して大阪から伊勢神宮への日帰り参拝を可能とした。さらに1936年(昭和11年)に参急が伊勢電気鉄道を合併し、同年に設立された系列の関西急行電鉄が1938年(昭和13年)6月26日に桑名 - 名古屋間を開業して、大阪から名古屋へのルートを確立した。これは大阪 - 名古屋間で初めての私鉄による運行であった。
戦時中は陸上交通事業調整法により周辺の鉄道会社と次々に合併した。1940年(昭和15年)に参宮急行電鉄が関西急行電鉄と養老鉄道を合併し、1941年(昭和16年)3月15日には大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併して関西急行鉄道(関急)となり、1府4県に総延長437kmの路線を有する私鉄となった。1943年(昭和18年)2月には現在の南大阪線などを経営していた大阪鉄道(大鉄)を合併して、現在の近畿日本鉄道の原型となる路線網が確立された。1944年(昭和19年)6月1日には国からの強い要請を受けて関西急行鉄道と長い歴史を有する南海鉄道が合併する形で近畿日本鉄道が発足し、総延長約630kmの路線を有する日本最大の民営鉄道会社となった。
南海鉄道との合併は長続きせず、1947年(昭和22年)6月1日に旧・南海鉄道の路線を高野山電気鉄道が改称した南海電気鉄道へ譲渡し、社名は近畿日本鉄道のまま関西急行鉄道時代の路線網に復した。同年10月8日には上本町駅 - 近鉄名古屋駅間に有料特急の運転を開始しており、これは日本における有料特急列車の戦後初の復活で、現在の近鉄特急の元となった。1958年(昭和33年)には2階建て車両を連結した10000系「ビスタカー」が登場した。軌間1,067mmの名古屋線と1,435mmの大阪線・山田線などとの線路幅の違いから、名阪間の直通客は伊勢中川駅で乗り換えを強いられていたが、1959年(昭和34年)9月の伊勢湾台風による被災を機に、当時の社長佐伯勇の判断で名古屋線の改軌工事が復旧工事と同時進行で前倒し実施され、同年11月27日に完了、12月には新造の10100系ビスタカー2世による名阪間直通特急の運転が開始された。その後、1963年(昭和38年)に奈良電気鉄道(現在の京都線)、1964年(昭和39年)に信貴生駒電鉄、1965年(昭和40年)に三重電気鉄道などを合併し、現在の路線網がほぼ完成した。
1970年(昭和45年)3月には大阪万博を契機に、鳥羽線の建設と孤立路線だった志摩線の改軌を完成させて伊勢志摩方面を直通化し、同月に難波線も完成して1947年の南海分離以来となる悲願の難波乗り入れを自力で果たした。特急車両では1988年に120km/h運転の「アーバンライナー」、1990年に「さくらライナー」、1994年に「伊勢志摩ライナー」、2013年に観光特急「しまかぜ」、2020年3月に大阪難波 - 近鉄名古屋間で運転を開始した「ひのとり」などの特色ある車両を登場させている。近鉄の列車は京都市営地下鉄烏丸線(1988年から)とOsaka Metro中央線(けいはんな線の全列車)にも直通しており、2009年(平成21年)3月20日には阪神なんば線との相互直通運転により奈良方面から西宮・神戸方面への乗り入れを開始した。2010年(平成22年)9月16日に創業100周年を迎えた。
2003年(平成15年)には英文社名をKintetsu Corporationに変更し、2007年(平成19年)には伊賀線・養老線の運営をそれぞれ伊賀鉄道・養老鉄道に移管して、線路などの施設は近鉄が第三種鉄道事業者として保有した。2015年(平成27年)4月1日には(旧)近畿日本鉄道が近鉄グループホールディングスに社名変更した上で、会社分割により鉄軌道事業を近畿日本鉄道分割準備(2014年4月30日設立)に継承させて持株会社制に移行し、同社が(新)近畿日本鉄道に社名変更して近鉄グループホールディングス傘下の事業会社となった。同日、内部線・八王子線の運営は四日市あすなろう鉄道に移管された。路線の大部分は軌間1,435mmの標準軌・直流1,500V電化であるが、南大阪線系統は軌間1,067mmの狭軌のままであり、けいはんな線は直流750Vの第三軌条方式である。2017年4月時点の保有車両は電車1,905両で、私鉄では東京メトロに次いで日本で2番目に多かった。2024年(令和6年)10月に新型通勤車両8A系、2026年(令和8年)1月に1A系が営業運転を開始している。
年表
- 19109月16日、大阪と奈良を結ぶ路線を敷設すべく奈良軌道として設立。10月15日に大阪電気軌道(大軌)へ社名変更。
- 19144月30日、生駒トンネルの開削により最初の路線である上本町駅 - 奈良駅間(現在の奈良線)が開業。
- 19279月28日、伊勢方面を目指して参宮急行電鉄(参急)を設立。
- 19313月17日、参宮急行電鉄の山田駅 - 宇治山田駅間が開業。大阪から伊勢神宮への日帰り参拝が可能となった(現在の大阪線・山田線)。
- 19386月26日、関西急行電鉄が桑名駅 - 関急名古屋駅(現在の近鉄名古屋駅)間を開業し、名古屋へのルートが確立(現在の名古屋線)。大阪 - 名古屋間で初めての私鉄による運行となった。
- 19413月15日、大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道(関急)となる。
- 19446月1日、関西急行鉄道と南海鉄道が合併して(旧)近畿日本鉄道が発足し、総延長約630kmの日本最大の民営鉄道会社となった。
- 19476月1日、旧・南海鉄道の路線を南海電気鉄道へ譲渡。10月8日には有料の名阪特急が運転を開始し、日本における有料特急列車の戦後初の復活として現在の近鉄特急の元となった。
- 19599月26日の伊勢湾台風による被災を機に、軌間1,067mmだった名古屋線の標準軌化工事が復旧と同時に実施され、11月27日に完了。12月12日に10100系ビスタカー2世による名阪特急の直通運転が開始され、伊勢中川駅での乗り換えが解消された。
- 19654月1日、三重電気鉄道を合併し志摩線・北勢線・湯の山線・内部線・八王子線となる。現在の路線網がほぼ完成した。
- 19703月1日、大阪万博を契機に鳥羽線が全通し志摩線の改軌が完成して、伊勢志摩方面が直通化された。3月15日には難波線が開業し、1947年の南海分離以来の難波乗り入れを自力で果たした。
- 19883月18日、名阪特急に21000系「アーバンライナー」が登場し120km/h運転を開始。8月28日には京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転を開始。
- 20093月20日、阪神なんば線と相互直通運転を開始し、奈良方面から西宮・神戸方面への乗り入れを開始した。
- 20154月1日、(旧)近畿日本鉄道が近鉄グループホールディングスに社名変更し、会社分割により鉄軌道事業を近畿日本鉄道分割準備(2014年4月30日設立)が継承して(新)近畿日本鉄道に社名変更。同日、内部線・八王子線を四日市あすなろう鉄道に運営移管。
出典
最終更新:2026年10月16日