歴史
そのため発足当初から事業の多角化を積極的に進め、魚の養殖やキノコの栽培から自動車販売業にまで進出した(自動車販売業のように不採算により撤退した分野もある)。1990年(平成2年)5月2日には博多から高速船「ビートル」の運航を開始し、1991年(平成3年)3月25日には対馬海峡を渡る博多 - 釜山(韓国)間に高速船「ビートルII」を就航させた。船舶事業部は2005年(平成17年)10月1日にJR九州高速船として分社化され、博多 - 釜山間のビートルはその後廃止された。1992年(平成4年)にはベーカリーチェーン「トランドール」の展開を始め、事業は飲食業、ホテル、ドラッグストア、不動産業、農業などに広がり、首都圏など九州以外の地域や、2017年(平成29年)からは不動産開発などを手掛ける現地法人を通じてタイにも進出している。2016年(平成28年)9月中間期には不動産や小売などの非鉄道部門が売上高の過半を占めるに至っている。
鉄道では1988年(昭和63年)3月13日に特急「有明」へJRグループ初の新形式特急車両となる783系電車「ハイパーサルーン」を投入し、1989年(平成元年)3月11日に特急「ゆふいんの森」、1992年(平成4年)7月15日に787系電車による特急「つばめ」、1995年(平成7年)に883系電車による特急「ソニックにちりん」、2000年(平成12年)に885系電車による特急「かもめ」の運転を開始するなど、特急網と「D&S列車」と称する観光列車の整備を進めた。2004年(平成16年)3月13日に九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間が部分開業し、並行する鹿児島本線八代駅 - 川内駅間は肥薩おれんじ鉄道に経営分離された。九州新幹線が部分開業した2004年度には会社全体の営業損益が黒字に転換した。2011年(平成23年)3月12日には九州新幹線博多駅 - 新八代駅間が延伸開業して全線開業となり、山陽新幹線との相互直通運転を開始した。同年3月3日には博多駅新駅ビル「JR博多シティ」が開業している。九州新幹線の営業収益は2017年3月時点でおよそ501億円となり、鉄道事業収益の3分の1以上を占めるに至った。2013年(平成25年)10月15日には九州を一周する豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の運行を開始した。鉄道事業は2016年3月期まで一度も営業黒字を計上したことがなかったが、2015年度に実施された減損会計による減価償却費の大幅な圧縮や合理化などにより、2017年3月期にJR九州発足以来初めて250.8億円の営業黒字となった。
2015年(平成27年)6月10日に公布された改正JR会社法が2016年(平成28年)4月1日に施行され、JR九州はJR会社法の適用対象から除外されて純粋民間会社となった。経営安定基金3877億円は、九州新幹線の施設使用料(年102億円)の一括前払い(計2205億円)および借入金の償還などに充てられている。2016年10月25日に東京証券取引所、翌26日に福岡証券取引所に株式を上場した。JR旅客会社ではJR東日本・JR西日本・JR東海に次ぐ4番目、いわゆる三島会社では初の上場・完全民営化である。一方、2016年4月の熊本地震では14日の前震で九州新幹線が脱線し、16日の本震では豊肥本線で脱線や大規模な土砂崩れが発生した(豊肥本線は2020年8月8日に全線復旧)。2017年(平成29年)7月5日の九州北部豪雨では久大本線の花月川橋梁流出など久大本線・日田彦山線で大規模な被害を受け、日田彦山線の添田駅 - 夜明駅間は鉄道による運行を行わず、JR九州バスが運行するBRT「ひこぼしライン」(添田駅 - 日田駅間、営業キロ37.7km)となっている。2018年(平成30年)3月のダイヤ改正では、会社発足以来で最大規模となる1日当たり117本の運行削減を行った。2022年(令和4年)9月23日には西九州新幹線武雄温泉駅 - 長崎駅間が開業し、長崎本線江北駅 - 諫早駅間は上下分離方式に移行してJR九州は同区間の第二種鉄道事業者となり、特急「リレーかもめ」「かささぎ」「ふたつ星4047」が運転を開始した。2025年(令和7年)4月1日時点の総営業キロ数は2,342.6km、駅数は597駅(BRT駅含む)であり、東京証券取引所プライム市場・福岡証券取引所の上場企業である。
年表
- 19874月1日、国鉄分割民営化により九州旅客鉄道が発足。国鉄の大分・熊本・鹿児島の各鉄道管理局および九州総局が管理していた鉄道事業を引き継いだ。
- 19883月13日、特急「有明」にJRグループ初の新形式特急車両となる783系電車「ハイパーサルーン」を投入。8月28日には豊肥本線で8620形58654号機牽引の「SLあそBOY」が運転開始。
- 19893月11日、特急「ゆふいんの森」が運転開始。4月29日には世界初の電車と気動車による動力協調運転を開始(「有明11号」「オランダ村特急」)。
- 19913月25日、博多 - 釜山(韓国)間に高速船「ビートルII」が就航(高速船「ビートル」は1990年5月2日に博多港 - 平戸 - 長崎オランダ村間で運航開始)。
- 19927月15日、鹿児島本線で783系・787系電車による特急「つばめ」が運転開始。
- 19961月10日、JR九州を含む三島会社が運賃を改定。JRグループの日本全国同一運賃体系が崩れ、運賃格差が発生した。
- 20043月13日、九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間が部分開業。並行する鹿児島本線八代駅 - 川内駅間を肥薩おれんじ鉄道に経営分離し、特急「つばめ」を廃止して「リレーつばめ」が運転開始。九州新幹線が部分開業した2004年度には営業損益が黒字に転換した。
- 20093月1日、福岡・北九州都市圏にICカード乗車券「SUGOCA」を導入。
- 20113月3日、博多駅新駅ビル「JR博多シティ」が開業。3月12日には九州新幹線博多駅 - 新八代駅間が延伸開業して全線開業となり、山陽新幹線との相互直通運転を開始。
- 201310月15日、九州を一周する豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の運行を開始。
- 20164月1日、改正JR会社法の施行によりJR会社法の適用対象から除外され、純粋民間会社化。4月14日の熊本地震の前震で九州新幹線が脱線し、16日の本震では豊肥本線で脱線や大規模な土砂崩れが発生(豊肥本線の全線復旧は2020年8月8日)。10月25日に東京証券取引所、26日に福岡証券取引所に株式を上場し、三島会社では初の上場・完全民営化を果たした。
- 20177月5日、九州北部豪雨により久大本線の花月川橋梁流出など、久大本線・日田彦山線で大規模な線路被害が発生。日田彦山線添田駅 - 夜明駅間は鉄道による運行を行わず、現在はJR九州バス運行のBRT「ひこぼしライン」(添田駅 - 日田駅間、営業キロ37.7km)となっている。
- 20229月23日、西九州新幹線武雄温泉駅 - 長崎駅間が開業。長崎本線江北駅 - 諫早駅間は上下分離方式に移行(JR九州は第二種鉄道事業者となる)し、特急「リレーかもめ」「かささぎ」「ふたつ星4047」が運転開始。
- 20243月24日、「SL人吉」が運転終了。