JR線約4分で読めます

宇部線

Ube Line

宇部線(うべせん)は、山口県を走る営業キロ33.2キロメートルの鉄道路線で、西日本旅客鉄道(JR西日本)が運営している。山口市の新山口駅から宇部市の宇部駅に至り、周防灘に沿って18の駅を結ぶ。全線が単線で、軌間1,067ミリメートルの狭軌、直流1,500ボルトの架空電車線方式で電化されており、最高速度は85キロメートル毎時である。宇部市中心部および山口市南部と、宇部駅・新山口駅で接続する山陽本線とを結んでおり、比較的早い時期に電化された路線の一つである。

宇部市5 km
宇部線の路線図 · 山口県 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は私鉄として始まった。1914年(大正3年)1月9日、宇部軽便鉄道により、最初の区間にあたる宇部 - 宇部新川間が開業した。同社は1921年(大正10年)12月20日に宇部鉄道へと社名を変更した。その後、路線は段階的に延伸され、1923年(大正12年)8月1日に床波まで、1924年(大正13年)8月17日に本阿知須(現在の阿知須)まで、そして1925年(大正14年)3月26日に小郡(現在の新山口)まで延びて、宇部 - 小郡間の全線が開通した。

宇部鉄道は1929年(昭和4年)10月29日に自社線を直流1,500ボルトで電化した。一方、もう一つの会社である宇部電気鉄道(沖ノ山炭鉱、のちの宇部興産の子会社)も独自の電化路線を開業させ、その中には居能を経て小野田方面へ向かう路線も含まれていた。両社はそれぞれ別の、連絡の悪いターミナルを持ったまま並立していたが、1941年(昭和16年)12月1日に合併し、旧会社は解散して両社を引き継ぐ新たな宇部鉄道が設立された。

宇部鉄道は石炭などの重要物資の輸送路線として、1943年(昭和18年)5月1日に戦時買収により国有化された。宇部 - 宇部新川 - 小郡間は宇部東線となり、港周辺の旧宇部電気鉄道の路線は宇部西線となった。国有化に際してはいくつかの駅が改称され、駅名の入れ替えも行われた。すなわち、当線の宇部新川駅が「宇部駅」を名乗り、山陽本線の宇部駅は西宇部駅と改称された。この状態は1964年まで続いた。

国有化以前は宇部鉄道・宇部電気鉄道・小野田鉄道の中小私鉄3社がそれぞれ独自に輸送を行っていたため、系統間の連絡がなく、設備も劣悪であった。3社を一括して買収した国鉄は、戦後、統合的に運営できるよう改良整備を進めた。1948年(昭和23年)2月1日、宇部東線は宇部線に、宇部西線は小野田線に改称された。3か年の緊急整備計画の一環として連絡線が新設され、1952年(昭和27年)4月20日には岩鼻 - 宇部新川間が、従来の藤曲経由の経路から居能経由の電化新線に付け替えられ、旧来の3.3キロメートルの区間は廃止された。炭鉱や港に通じる各貨物支線も次第に縮小され、1961年(昭和36年)には沖ノ山炭鉱に通じる宇部港 - 沖ノ山新鉱間の貨物支線が廃止された。

日本国有鉄道(国鉄)の時代を通じて、宇部線は普通旅客列車のほか、宇部興産向けの石灰石や石炭の貨物列車を山陽本線・美祢線・宇部線の間で多数運んでおり、1983年(昭和58年)3月8日には列車集中制御装置(CTC)が導入された。1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化により、新山口 - 宇部間はJR西日本に承継されて同社広島支社の管轄となり、港の支線および宇部岬 - 宇部間の貨物営業は日本貨物鉄道(JR貨物)が引き継いだ。

JR西日本のもとで、当線は段階的に運転士のみのワンマン運転へと切り替えられた。1990年(平成2年)6月1日の宇部新川 - 居能間を皮切りに、1992年(平成4年)3月14日には全線に拡大され、105系および123系電車が用いられた。当線の主力であった宇部興産向けの石灰石貨物は、宇部興産専用道路の供用開始に伴い1998年(平成10年)に全廃され、1999年(平成11年)には港への貨物列車も廃止されて、以後、港の支線は使われなくなった(正式な廃止は2006年)。小郡駅は2003年(平成15年)10月1日に新山口駅へと改称された。2023年(令和5年)3月18日からは、当線の全列車がワンマン運転となっている。現在、宇部線で使用される105系・123系電車は下関総合車両所に所属している。

この路線の駅

年表

  • 19141月9日:宇部軽便鉄道により、最初の区間である宇部 - 宇部新川間が開業。
  • 192112月20日:社名を宇部鉄道に変更。
  • 19238月1日:宇部新川 - 床波間が延伸開業。
  • 19248月17日:床波 - 本阿知須(現在の阿知須)間が延伸開業。
  • 19253月26日:本阿知須 - 小郡(現在の新山口)間が延伸開業し、宇部 - 小郡間が全通。
  • 192910月29日:宇部 - 小郡間が直流1,500Vで電化。
  • 194112月1日:宇部鉄道と宇部電気鉄道が合併。旧会社は解散し、新たに宇部鉄道が設立される。
  • 19435月1日:宇部鉄道が戦時買収により国有化。宇部 - 宇部新川 - 小郡間が宇部東線、旧宇部電気鉄道の路線が宇部西線となる。
  • 19482月1日:宇部東線が宇部線に、宇部西線が小野田線に改称。
  • 19524月20日:岩鼻 - 宇部新川間が藤曲経由から居能経由の電化新線に付け替えられ、旧来の3.3kmの区間が廃止。
  • 1961沖ノ山炭鉱に通じる宇部港 - 沖ノ山新鉱間の貨物支線が廃止。
  • 19649月15日:宇部駅(旧・宇部新川)が宇部新川駅に改称。10月1日には山陽本線の西宇部駅が宇部駅に改称され、戦時中の駅名の入れ替えが解消。
  • 19833月8日:列車集中制御装置(CTC)が導入。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化により、新山口 - 宇部間がJR西日本(広島支社)に承継され、港の支線および宇部岬 - 宇部間の貨物営業はJR貨物が引き継ぐ。
  • 19906月1日:宇部新川 - 居能間でワンマン運転を開始(105系・123系電車を使用)。
  • 19923月14日:全線でワンマン運転を開始。
  • 19984月1日:美祢 - 宇部港間の宇部興産向け石灰石貨物列車が廃止され、当線の主力貨物輸送が終了。
  • 19997月1日:宇部 - 宇部港間の貨物列車が廃止され、居能 - 宇部港間の貨物支線が事実上休止(正式廃止は2006年)。
  • 200310月1日:小郡駅が新山口駅に改称。
  • 20233月18日:全列車がワンマン運転となる。

出典