歴史
JR西日本は民営化後まもなく、東海道本線や福知山線といった正式路線名に代えて「親しみやすい」愛称を導入し始めた。米原駅 - 大阪駅間の愛称公募では国鉄時代の通称「湖東線」が1位だったが、JR西日本はこの区間を「JR京都線」に決定した。一方、JR西日本自身が用意していた愛称候補の一覧にも「琵琶湖線」という名はそもそも含まれておらず、米原 - 京都間には独自の愛称が用意されていなかった。滋賀県および県議会は地域に根ざした名称を強く要望し、県内では「JR京都線」の延長という呼び方が京都に従属するように響くとして独自の名称を求める声が上がった。JR西日本はこれを受け、1988年2月5日付で米原駅 - 京都駅間の愛称は「琵琶湖線」へ改められ、同年3月13日改正のダイヤから用いられるようになった。
愛称の範囲は、接続する北陸本線の直流化とともに北へ広がった。1991年9月14日、北陸本線田村駅 - 長浜駅間が交流20,000Vから直流1,500Vの電化方式に変更されて京都・大阪方面への直通運転が可能となり、京都方面からの新快速・普通が直通できるようになったのに合わせ、米原駅 - 長浜駅間も新たに琵琶湖線の範囲となった。さらに2006年10月21日には長浜駅 - 敦賀駅間も直流電化され、運転区間が再び延長されたが、琵琶湖沿いの走行は近江塩津駅の手前までにとどまり、この区間は琵琶湖線には含まれていない。ただし米原駅から長浜方面へ向かう列車のうち敦賀行きに限っては、「琵琶湖線」ではなく「北陸本線」または「北陸線」と案内される場合がある。
JR西日本は該当区間の旅客案内で「琵琶湖線」を用い、基本的に「東海道(本)線」は使用しない(ただし、駅の運賃表や一部の路線図では括弧書きで「東海道線」と併記されることがある)。これによって東海道本線としての正式な扱いが変わったわけではなく、米原で接続する東海旅客鉄道(JR東海)は今も正式名称「東海道本線」を用いている。愛称は地元紙や不動産広告にも見られる一方、沿線利用者以外への浸透度はまちまちである。常連の利用者は琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線を事実上一つの路線とみなしており、三線一体でJR西日本アーバンネットワークの基幹をなす。ラインカラーは共通してJR西日本のコーポレートカラーである青、路線記号はAで、山科駅 - 京都駅間(湖西線列車も走る区間)にはBも重複して付与されている。
京阪神地区の他社線と速達性を競うために1970年に運行を開始した新快速は、翌1971年から現在の琵琶湖線区間にも乗り入れるようになった。新快速は長浜駅・米原駅・野洲駅などで折り返すほか、一部は北陸本線近江塩津駅・敦賀駅まで直通し、京都駅からJR京都線を経て大阪方面へ直通する。普通は各駅に停車しながら主に米原駅・野洲駅で折り返し、朝・深夜の一部列車を除きJR京都線・JR神戸線へ直通運転する。車両・運行体制もたびたび更新されており、1987年10月開始のホームライナー「びわこライナー」は2003年6月1日に特急「びわこエクスプレス」に置き換えられ(この特急は2024年3月16日に「らくラクびわこ」へ改称)、2014年3月にはキハ189系がこの特急に投入された。「はるか」には2020年春から271系が加わっている。225系電車は0番台が2010年12月から、100番台が2016年7月から新快速・普通の運用を開始し、2011年3月12日には南草津駅が新快速停車駅となり土休日新快速が12両編成に統一され、2017年3月4日には平日・土休日とも京都 - 米原間の新快速のほぼ全列車が12両編成に統一された。2018年3月には駅ナンバリングが導入され、2021年10月2日からは長浜駅 - 米原駅間の日中新快速が1時間に1本に減便された。琵琶湖東岸に沿って湖東・湖南地区の各都市と京都とを結ぶ滋賀県内の基幹路線として、今も京都・大阪方面への通勤・通学に広く利用され、多くの列車がJR京都線やJR神戸線に直通している。
この路線の駅
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年表
- 1970京阪神地区の他社線との速達競争を目的に、新快速の運行が開始される。
- 1971運行開始の翌年にあたるこの年から、新快速が現在の琵琶湖線区間にも乗り入れを開始する。
- 19882月5日、滋賀県および県議会からの要望を受け、JR西日本が米原駅 - 京都駅間の愛称として「琵琶湖線」を採用。3月13日のダイヤ改正から使用が開始される。
- 19919月14日、北陸本線田村駅 - 長浜駅間の電化方式が交流から直流へ変更され、京都・大阪方面への直通運転が可能となる。これに伴い米原駅 - 長浜駅間も琵琶湖線の範囲に加わる。
- 20036月1日、1987年10月から運行されていたホームライナー「びわこライナー」が廃止され、特急「びわこエクスプレス」に置き換えられる。
- 200610月21日、長浜駅 - 敦賀駅間も直流電化され運転区間がさらに延長されるが、この区間は琵琶湖線には加えられなかった。
- 201012月1日から、225系電車(0番台)が琵琶湖線の新快速・普通での運用を開始する。
- 20113月12日、南草津駅が新快速の停車駅となり、土曜・休日ダイヤの新快速は京都駅 - 米原駅間で12両編成に揃えられる。
- 20143月から、キハ189系気動車が特急「びわこエクスプレス」の運用を開始する。
- 20173月4日の改正から、平日・土曜休日を問わず京都駅 - 米原駅間の新快速のほぼ全列車が12両編成に統一される。
- 20183月、北陸本線からの通し番号として琵琶湖線に駅ナンバリングが導入される。
- 2020春から、271系電車が特急「はるか」に投入される。
- 202110月2日から、長浜駅 - 米原駅間の日中の新快速が1時間に1本に減便される。
- 20243月16日、特急「びわこエクスプレス」が「らくラクびわこ」に改称される。
出典
事実確認日:2026年9月11日