機関車約4分で読めます

国鉄EF65形電気機関車

JNR Class EF65

EF65形電気機関車は、日本国有鉄道(国鉄)が1965年(昭和40年)に開発した、平坦路線向けの直流1,500 V用電気機関車である。軸配置Bo-Bo-Boの6軸機で、旅客列車と貨物列車の双方に使用されてきた。EF60形に続く平坦線区向け国鉄直流電気機関車の標準形式として、主に東海道本線・山陽本線での使用を想定して設計され、1979年(昭和54年)までに国鉄電気機関車史上最多となる308両が製造された。

製造には川崎車輛(後の川崎重工業)、川崎電機製造、東京芝浦電気(東芝)府中工場、汽車製造、東洋電機製造、日本車輌製造、富士電機が参加した。当時の主要幹線用の最新形式であったEF60形(2次車以降)は牽引力こそあったものの定格速度が39.0 km/hと旧型機と大差なく、旅客・貨物列車の高速化に難があったため、EF60形3次車を基本に歯数比を高速寄りに変更し、新設計のバーニア付き電動カム軸式制御器を搭載して、高速走行性能と牽引力の両立を図ったのがEF65形である。主電動機はMT52を6基吊り掛け式で搭載し、総定格出力は2,550 kWである。国鉄時代には貨物列車のほか、寝台特急「出雲」や寝台急行「銀河」などの夜行列車を中心に旅客列車も牽引した。

JNR EF65 56 hauling a cement freight train near Sakoshi on the Ako Line in 1986.
JNR EF65 56 hauling a cement freight train near Sakoshi on the Ako Line in 1986.(英語) · Olegushka · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

歴史

EF65形は基本的に貨物列車用として計画されたが、その高速走行性能を生かして複数の派生形式が設計・製作された。20系客車の牽引に必要な機器を搭載したブルートレイン牽引用の500番台(P形、“passenger” に由来)、P形を基に重量貨物列車を高速で牽引するための重連総括制御用機器を搭載した500番台(F形、“freight” に由来)、F形を基に前面に貫通扉を付け耐雪耐寒装備を強化した1000番台(PF形)の3つである。0番台(一般型)は1965年から1970年に135両(1–135)が製造され、2016年時点で全廃されていた。500番台P形は高速旅客列車牽引用、F形は牽引定数1,000 tの貨物列車を100 km/hで牽引する高速貨物列車牽引用である。500番台は新製車と、0番台77–84号機を改造した535–542号機を合わせた42両で、最高速度は110 km/hである。1000番台はP形・F形の機能を併せ持つことからPF形と呼ばれ、旅客・貨物列車に広汎に使用可能な汎用機として、1969年(昭和44年)から1979年にかけて合計139両(1001–1139)が製造された。

0番台のうち6次車の131–135号機は1990年から改造され、山陽本線「瀬野八(セノハチ)」区間の補助機関車であるEF67形100番台となった。この改造で制御方式は電機子チョッパ制御となり、歯車比は低速域での牽引力増大のため16:71に変更された。1987年の国鉄分割民営化では269両がJR貨物(199両)・JR東日本(42両)・JR東海(5両)・JR西日本(23両)に承継され、JR貨物では1993年に民営化後初の廃車が発生した。全体の両数は2009年に95両、2016年に52両まで減少した。2006年3月の寝台特急「出雲」廃止をもって寝台特急での運用が消滅し、2008年3月の急行「銀河」廃止で定期旅客列車を牽引する運用がすべて終了した。以後は主に貨物列車の牽引に充当されたが、後継のEF210形への置き換えが進んだ。2012年5月からは、100 km/hを超える運転に義務付けられた運転状況記録装置を搭載する車両と区別するため、JR貨物所有の1000番台の一部が2000番台に改番された。2016年4月1日現在で運用に就いていたのは、500番台がJR東日本の501号機1両、1000番台がJR東日本・JR西日本の15両、2000番台がJR貨物の36両であった。JR貨物では2025年3月のダイヤ改正で定期運用が消滅し、以後は臨時貨物や甲種輸送に使用されている。特別塗装機としては、1987年に登場したJR東日本の「スーパーエクスプレスレインボー」専用機が車体全体をチェリーレッドとし、側面に白で大きく「EF65」のロゴを、裾部に白帯を配したほか、JR東海が「ユーロライナー」色、JR西日本が「ゆうゆうサロン岡山」色と「トワイライトエクスプレス」色を担当機に施した。保存機は7両で、EF65 1が京都鉄道博物館に保存されている。

年表

この年表は英語のみです。

  • 1965Class EF65 enters service; designed by JNR as a standard flat-route DC locomotive developed from the Class EF60. The EF65-0 (general freight) and EF65-500 (P-type passenger / F-type freight) subclasses are built from 1965, the P type being equipped to haul 20-series "Blue Train" sleeping-car services.
  • 1969Production of the EF65-1000 "PF" subclass (general-purpose, with a front gangway door and cold-weather equipment) begins; 139 units (1001–1139) are built through 1979, bringing total production of the class to 308.
  • 1990Conversion of five 6th-batch EF65-0 locomotives (EF65 131–135) into Class EF67-100 banking locomotives for the "Senohachi" section of the Sanyo Main Line begins in 1990.
  • 2008Withdrawal of the "Izumo" sleeping-car limited express (March 2006) ends EF65 work on sleeping-car limited expresses, and withdrawal of the "Ginga" sleeping-car express (March 2008) ends all regular passenger haulage by the class; the fleet thereafter works mainly freight.
  • 2016As of 1 April 2016, 52 locomotives remain in service: one EF65-500 (EF65 501, JR East), 15 EF65-1000 (JR East and JR West), and 36 EF65-2000 (JR Freight); all EF65-0 units have been withdrawn. JR Freight's regular EF65 operation later ends with the March 2025 timetable revision.

出典