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JR貨物EF210形電気機関車

JR Freight Class EF210

EF210形電気機関車は、日本貨物鉄道(JR貨物)が1996年から製造する軸配置Bo-Bo-Boの直流電気機関車である。JRの機関車で初めて愛称が採用され、公募の結果、岡山機関区に所属する省電力大出力機であることから「ECO-POWER 桃太郎」と命名された。

JR Freight Class EF210 No. 117 passing through Kiyosu Station on the Tokaido Main Line.
JR Freight Class EF210 No. 117 passing through Kiyosu Station on the Tokaido Main Line.(英語) · MaedaAkihiko This photo was taken with Panasonic Lumix DMC-FZ300 · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

歴史

導入の経緯としては、1990年代前期に直流電化区間標準機のEF65形初期型が経年30年前後となっていたこと、また輸送力増強策として1時間定格出力6,000 kWのEF200形が1990年3月に登場したものの、当初計画された1,600 t牽引が変電所の電力供給能力問題により実現できなかったことがある。こうした情勢下で、本形式はEF65形・EF66形の後継機として、また東海道・山陽線系統の1,300 tコンテナ貨物列車運転拡大に充当する目的で開発された。

構造面では、GTO素子を用いたVVVFインバータでかご形三相誘導電動機を制御するシステムはEF200形と同一だが、コスト低減のため国内機関車では初となる、1基のインバータで2基のモーターを制御する1C2M方式を採用した。1時間定格出力565 kWの主電動機を吊り掛け式で6基搭載し、機関車全体で3,390 kWの出力を確保する一方、日本の電気機関車として初めて「30分定格」の概念を採用し、定格出力3,540 kW(30分)で設計された。これにより東海道本線関ヶ原付近の連続勾配10 ‰での運用とEF66形との共通運用が可能となっている。車体には予讃線鳥越トンネル以西の超狭小トンネルを通過するための対策が施されており、四国島内の電化区間への直通が可能である。車両は川崎重工業が神戸市内の工場で製造し、のちに製造は川崎車両に引き継がれた。三菱電機も製造者に名を連ねる。電気方式は直流1,500 V(架空電車線方式)、1時間定格引張力は199 kN、最高運転速度は110 km/h、設計最高速度は120 km/h、運転整備重量は100.8 tである。

試作機(901号機)は1996年3月に三菱電機・川崎重工業で製作され、新鶴見機関区に新製配置されて各種試験に供された後、1997年8月に岡山機関区へ転属し、同年12月5日より営業運転を開始した。2005年3月には量産化改造を実施し、主電動機FMT4形・歯車比とも量産機と同一になった。0番台(1 - 18号機)は試作機の評価を経て1998年7月から同年11月にかけて製作された量産機で、同年7月に1号機が岡山機関区に納入された。主電動機を試作機のFMT3形(565 kW)から同一出力ながら小型のFMT4形に改良し、台車軸距を2,600 mmから2,500 mmに短縮し、車体側面には「ECO-POWER 桃太郎」のロゴが描かれた。全車が岡山機関区に配置されている。

EF210-306, a 300 sub-series locomotive, on a freight service on the Uno Line in Okayama Prefecture. 原寸大で表示(新しいタブで開きます)
EF210-306, a 300 sub-series locomotive, on a freight service on the Uno Line in Okayama Prefecture.(英語)Mitsuki-2368 · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

100番台(101 - 173号機)は2000年3月以降に製作された改良機で、同年4月10日から運用を開始し、整流素子をIGBTに変更して1C1M方式とし、109号機以降はシングルアーム式パンタグラフを採用した。岡山・新鶴見・吹田の各機関区に配置され、2016年4月1日時点で73両が運用されていた。300番台(301号機 - )は、山陽本線瀬野 - 八本松間の急勾配区間「瀬野八」で貨物列車を後押しする専用補機EF67形(0番台)が経年30年を超えたことから、その置き換えを目的に導入された。2012年9月3日に兵庫の川崎重工業から納車された301号機が広島車両所に配置され、2013年3月16日のダイヤ改正から営業運転を開始し、2両目は同年4月28日から営業運転に入った。後押し時の連結器衝撃を緩和する新型緩衝器の装備により車体長が片側200 mm(全体400 mm)長くなり、車体色は青地に2本の黄色のラインを入れたものとなる。

300番台は2015年(平成27年)から吹田機関区への配置を開始して老朽化の顕著なEF66形基本番台やEF200形を置き換え、2020年3月改正からは東海道本線吹田以東への定期運用も設定された。運用面では、本形式は新製以来、東海道本線・山陽本線の高速貨物列車で重点的に使用されるほか、運用範囲は山口・四国から北関東・千葉まで及び、直流電化区間の貨物列車の大半が本系列によって運用されている。2016年4月1日時点でJR貨物が運用する本形式は101両で、新鶴見(川崎)・吹田(大阪)・岡山の各機関区に配置されていた。製造数は2026年4月1日時点で169両である。形式名のEは電気機関車、Fは動軸が6軸であること、210は交流電動機を用いる直流機であることを示す。

年表

この年表は英語のみです。

  • 1996The pre-production prototype, EF210-901, built by Mitsubishi Electric and Kawasaki Heavy Industries in March 1996, is delivered to Shin-Tsurumi depot for trials and evaluation.
  • 1998The first full-production locomotive, EF210-1, is delivered to Okayama in July 1998 as the EF210-0 variant, with FMT4 traction motors, the "ECO-POWER Momo Taro" bodyside logo and a 2,500 mm bogie wheelbase; full-production revenue service begins on 2 August 1998.
  • 2000The EF210-100 sub-class enters production from March 2000, with revenue service beginning on 10 April 2000, adopting IGBT devices in place of GTO with 1C1M control; single-arm pantographs are fitted from EF210-109 onwards.
  • 2013The EF210-300 subclass enters service from the 16 March 2013 timetable revision to replace Class EF67 banking locomotives on the steeply-graded "Senohachi" section of the Sanyo Main Line between Seno and Hachihonmatsu; the first unit, EF210-301, was delivered from Kawasaki Heavy Industries in Hyogo on 3 September 2012, and the second locomotive entered service from 28 April 2013.

出典