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国鉄DD51形ディーゼル機関車

JNR Class DD51

国鉄DD51形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道(国鉄)によって1962年(昭和37年)から1978年(昭和53年)にかけて製造された液体式ディーゼル機関車である。幹線から蒸気機関車を廃する「無煙化」を推進するため、1962年3月から1978年3月までの16年間に、川崎車輛・日立製作所・三菱重工業で649両が製造された。この製造数は、DE10形の708両に次いで国鉄ディーゼル機関車では2番目にあたる。

Class DD51 no. 1801 hauling an oil freight train on the JR Kansai Main Line between Hatta and Haruta.
Class DD51 no. 1801 hauling an oil freight train on the JR Kansai Main Line between Hatta and Haruta.(英語) · MaedaAkihiko · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

歴史

先行して導入されていた電気式のDF50形は出力不足・故障の多さ・価格の高さが欠点とされており、DD51形はこれに代わる本格的な幹線用主力機として開発され、速度面では旅客用大型蒸気機関車を、牽引力では貨物用大型蒸気機関車のD51形を上回る性能をもつよう設計された。側面から見ると凸型となる全長18 mの車体の中央部に運転室(センターキャブ)を備え、前後に合計2組のエンジンと変速機を搭載する。幹線用の大型機関車としては珍しいこの形態は、箱型車体より価格が安く、同時期のDD20形と部品を共通化でき、エンジン回りの整備性も良いことから採用された。エンジンはDD13形で使用されていたDMF31S形をベースに新開発されたDML61形で、直列6気筒からV型12気筒に変更し、排気タービン過給機と中間冷却器を装備して1基あたり最大1,100 psを発揮し、2基搭載で総出力2,200 psを出す。最高速度は95 km/hである。

動力伝達方式は、軌道の重量制限に対処する軽量化のため、日本国外の大型機関車で主流の電気式ではなく、日本の量産大型ディーゼル機関車では初めて液体式が採用された。軸配置はB-2-Bで、両端の動力台車(DT113B)2組と無動力の中間台車により全体の軸重を軽減し、中間台車の空気ばねによって動力台車の軸重を14 tと15 tの2段階に調整できる。これにより、亜幹線への入線と規格の高い幹線での粘着力確保を両立している。従来の6軸機関車で主流だったC-CやA1A-A1Aの2台車ではなく3台車としたのは、曲線区間での横圧を低減するためである。500番台(DD51 501 - 799と、飛び番のDD51 1001以降)は重連総括制御装置を備え、800番台(DD51 899の次は1801 - 1805に飛び番)は客車暖房用の蒸気発生装置(SG)を搭載せずに製造された。800番台は当初、貨物列車用の新形式「DD52形」とする計画であったが、新形式の投入には労働組合との難しい折衝が必要になることから、既存のDD51形の仕様を変更する方針が採られたとされる。

塗装はDD51 2以降、朱色(オレンジ色系)を基調にボンネット上部をねずみ色とし、境目に白帯を入れたもので、これが国鉄ディーゼル機関車の標準塗装となった。JR北海道の車両は寝台特急「北斗星」に合わせた青地に金帯と流れ星のロゴの塗装とされ、重連で「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」を函館 - 札幌間(「トワイライトエクスプレス」は五稜郭 - 札幌間)で牽引した。JR東海のDD51 791は淡い青の「ユーロライナー」塗装となった。お召し列車牽引機のDD51 842は、デッキ手すり、台枠側面の飾り帯、煙突カバーにステンレスが用いられている。JR貨物では多くの車両に延命のための更新工事が施され、残っていたSG関連機器も撤去された。これらの車両は、青を基調に上部をねずみ色とし、白帯を入れて前面をクリーム色とした塗装で区別された。また、本形式を基にDD17形・DD18形・DD19形の除雪用機関車が造られた。

DD51 724 with a Fukuchiyama Line passenger train from Sasayamaguchi arriving at Osaka, January 1985. 原寸大で表示(新しいタブで開きます)
DD51 724 with a Fukuchiyama Line passenger train from Sasayamaguchi arriving at Osaka, January 1985.(英語)Olegushka · CC BY-SA 4.0 · Wikimedia Commons

電化の進展と客車・貨物列車の減少により、1987年4月1日の国鉄分割民営化までに約60%が余剰廃車となり、JR各社にはすべて重連形の500番台・800番台計259両が継承された。内訳はJR北海道25両、JR東日本29両、JR東海4両、JR西日本63両、JR九州1両、JR貨物137両である。その後も新型機関車への置き換えや老朽化により淘汰が進み、2016年4月1日時点で運用されていたのはJR貨物17両、JR東日本4両、JR西日本8両の計29両であった。

JR北海道では2016年の北海道新幹線新函館北斗開業に伴い急行「はまなす」が廃止されて運用が消滅した。JR東海では2007年に最後の791号機が運用を終了し、JR九州唯一のDD51 1071も1999年に廃車となった。JR貨物では愛知機関区が最後の配置区所となり、DF200形への置き換えにより2021年3月12日をもって全車両の運行が終了し、2023年3月までに全車が解体された。JR東日本ではぐんま車両センター(旧・高崎運転所)のDD51形によるお召し列車・臨時列車牽引が残ったが、旅客列車での運用は2024年11月24日をもって終了した。2024年時点で配置されていたDD51 842・895の2両は、いずれもお召し列車牽引の対応工事を施している。

廃車となった一部は日本国外へ譲渡された。ミャンマー国鉄へは2004年から譲渡され、1,067 mmから1,000 mmへの改軌と運転台の高さの縮小が行われた。元「北斗星」牽引機のDD51 1137・1142は、タイ国鉄の複線化工事に用いるためタイへ渡った。タイへ譲渡された車両のうち2両はマレーシアに再譲渡され、マレーシア国鉄の軌道改良工事を請け負う企業に所属している。DD51 1143は2024年末にタイへ輸送された後、陸路でラオスへ運ばれ、ラオスとタイを結ぶ貨物列車を牽引する予定である。事故による廃車もあり、1976年の追分機関区火災で7両、1981年の成田線の成田空港燃料輸送列車襲撃事件で2両、1982年の名古屋駅での寝台特急「紀伊」機関車衝突事故で1両が事故廃車されている。追分機関区火災は増備期間中に起きたため、国鉄時代の最大在籍両数は製造数より7両少ない642両である。形式名の最初の「D」はディーゼル機関車、2番目の「D」は動軸数4、「51」は最高速度85 km/h超の機関車であることを示す。

年表

この年表は英語のみです。

  • 1962The first Class DD51 locomotive enters service; the type is built between 1962 and 1978 to replace steam on Japan's non-electrified main lines, with two 1,100 hp V12 engines giving 2,200 hp total — more power than the D51 steam locomotive and a higher top speed than the large steam locomotives used on passenger trains.
  • 1987On the 1 April privatisation of Japanese National Railways, 259 of the multiple-working units pass to the JR group: 25 to JR Hokkaido, 29 to JR East, 4 to JR Central, 63 to JR West, 1 to JR Kyushu, and 137 to JR Freight.
  • 2016As of 1 April, 29 locomotives remain in operation (17 with JR Freight, 4 with JR East, 8 with JR West); JR Hokkaido's DD51 operation ends the same year when the Hokkaido Shinkansen opens to Shin-Hakodate-Hokuto and the Hamanasu express is withdrawn.
  • 2021JR Freight ends all DD51 operation on 12 March, its last DD51s having been based at Aichi Depot until their replacement by the DF200; the remaining Aichi units are all scrapped by March 2023.
  • 2024JR East ends DD51 passenger operation on 24 November; two units, DD51 842 and 895, both fitted for Imperial Train haulage, remain allocated at Gunma.

出典