歴史
現在の会社の直接の前身である武蔵野鉄道は1912年(明治45年)5月7日に設立され、1915年(大正4年)4月15日に現在の池袋線の一部である池袋駅 - 飯能駅間を開業、1929年(昭和4年)9月10日には吾野駅まで延伸した。1924年(大正13年)からは堤康次郎率いる箱根土地(後のコクド)が沿線で大泉学園都市の分譲を開始して武蔵野鉄道との関係を深め、1928年(昭和3年)には多摩湖鉄道を設立した。経営危機に陥った武蔵野鉄道の株式を堤は1932年(昭和7年)から買い集めて再建に乗り出し、1940年(昭和15年)3月12日に武蔵野鉄道は多摩湖鉄道を吸収合併、同年10月には堤が過半数の株式を確保して社長に就任した。1943年(昭和18年)6月には箱根土地が西武鉄道(旧)の経営権も獲得した。
1944年(昭和19年)9月からは、ガソリン統制と人手不足でトラックによる都内の糞尿処理が追いつかなくなっていたことから、東京都長官・大達茂雄の要請により武蔵野鉄道・西武鉄道(旧)・食糧増産の3社が一体となって都内からの糞尿輸送を行い、その列車は「黄金電車」などと呼ばれた(1951年に休止し、その後再開されなかった)。この協力を背景に、1945年(昭和20年)9月22日、陸上交通事業調整法に基づき武蔵野鉄道が西武鉄道(旧)と食糧増産を吸収合併して西武農業鉄道と改称し、1946年(昭和21年)11月15日に現在の西武鉄道に改称、バス事業を武蔵野自動車(現・西武バス)に分社化した。戦後は国鉄の戦災車や老朽車を譲り受けて所沢車両工場で改造・修繕する独自の方法で輸送力を増強し、「第2の国鉄」とも呼ばれた。1952年(昭和27年)3月25日には村山線高田馬場駅 - 西武新宿駅間が開業して路線名を新宿線に改称、1963年(昭和38年)には池袋駅 - 所沢駅間で日本の私鉄初の10両編成運転を開始し、1969年(昭和44年)3月5日に西武初の黄色い電車である101系が登場、同年10月14日には西武秩父線の開業とともに5000系特急「レッドアロー」が就役した。
堤康次郎の死後(1964年)は三男の堤義明がコクドを通じてグループを支配し、プリンスホテルやスキー場・ゴルフ場などのリゾート開発、1978年(昭和53年)のクラウンライターライオンズ買収(西武ライオンズの誕生)などで「西武王国」と呼ばれる企業グループを築いた。義明はフォーブス誌によって1987年(昭和62年)から1990年(平成2年)まで世界一の富豪とされた。西武鉄道株式は東証一部に上場していたが、経営の実権はコクドを通じて堤家が握り続けた。しかし2004年(平成16年)4月に総会屋利益供与事件で義明が西武鉄道会長を辞任し、10月13日には有価証券報告書の虚偽記載(コクド保有株数の22%過少申告、1,000名以上の名義株による偽装)が発覚した。実際にはコクドなど上位10株主の保有分だけで東京証券取引所の上場廃止基準である80%を超えており、西武鉄道株式は同年12月17日に上場廃止となった。2005年(平成17年)3月3日には義明が証券取引法違反容疑で逮捕された。その後、みずほコーポレート銀行出身の後藤高志を社長に迎えてグループ再編が進められ、米投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントなどから第三者割当増資を受けたコクドが2006年(平成18年)2月1日にプリンスホテルと合併、2月2日に西武鉄道は株式交換によりプリンスホテルの完全子会社となり、2月3日の株式移転により持株会社・西武ホールディングスが発足して、サーベラスが29.9%を保有する筆頭株主となった。この再編により西武鉄道は鉄道事業主体の会社となった。サーベラスは2012年 - 2013年に不採算5路線(多摩川線・山口線・国分寺線・多摩湖線・西武秩父線)の廃止などを提案し、敵対的TOBによって2013年6月までに持株比率を35%に高めたが、提案は株主総会で否決され、西武ホールディングスは2014年(平成26年)4月23日に東京証券取引所第1部へ上場した。
現在は運転系統の分かれた池袋線系統と新宿線系統を軸に12路線・営業キロ176.6 kmを運営し、両系統は所沢駅で交差する。1989年(平成元年)4月1日に秩父鉄道への直通運転を開始、1998年(平成10年)3月26日には西武有楽町線を経由して営団地下鉄(現・東京メトロ)有楽町線との相互直通運転を開始し、2008年(平成20年)6月14日に副都心線へ乗り入れ、2013年(平成25年)3月16日には副都心線経由で東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転を開始した。2017年(平成29年)3月25日には40000系が登場し、座席指定列車「S-TRAIN」が運行を開始した。2019年(平成31年)3月16日には26年ぶりの新型特急車両001系「Laview」が就役し、2020年(令和2年)にブルーリボン賞を受賞した。2023年(令和5年)9月26日には東急電鉄・小田急電鉄から省エネ性能の高い中古車両「サステナ車両」を譲受すると発表し、2025年(令和7年)5月31日に元小田急の8000系が運行を開始した。西武鉄道は西武ホールディングスの完全子会社であり、プロ野球・埼玉西武ライオンズの親会社でもある。本社は1986年(昭和61年)8月5日に東京都豊島区南池袋から埼玉県所沢市へ移転し、登記上の本店は豊島区南池袋のダイヤゲート池袋にある。
年表
- 189412月21日、川越鉄道が現在の国分寺線にあたる国分寺駅 - 久米川(仮)駅(現・東村山駅)間を開業。1895年3月21日には川越駅(現・本川越駅)まで延伸した。
- 19125月7日、現在の西武鉄道の直接の前身である武蔵野鉄道株式会社が設立された(2012年5月7日に「創立100周年」を迎えた)。
- 19154月15日、武蔵野鉄道が現在の池袋線の一部である池袋駅 - 飯能駅間を開業した。
- 19274月16日、西武鉄道(旧)が現在の新宿線の一部にあたる村山線高田馬場駅 - 東村山駅間を複線・電化で開業し、高田馬場駅 - 川越駅間の直通運転を開始した。
- 19459月22日、陸上交通事業調整法に基づき、武蔵野鉄道が西武鉄道(旧)と食糧増産を吸収合併して西武農業鉄道に改称した。3社が戦時中に一体となって始めた東京都の糞尿輸送を背景とする合併であった。
- 194611月15日、西武農業鉄道が現在の西武鉄道に改称。バス事業を武蔵野自動車(現・西武バス)に譲渡して分社化した。
- 19523月25日、村山線高田馬場駅 - 西武新宿駅間が開業し、路線名を新宿線に改称した。
- 196910月14日、西武秩父線が営業を開始し、「レッドアロー」こと5000系特急車が登場。同年3月5日には西武初の黄色い電車である101系が就役していた。
- 19868月5日、本社を東京都豊島区南池袋から、池袋線と新宿線が交わる埼玉県所沢市へ移転した。
- 19983月26日、西武有楽町線を経由して営団地下鉄(現・東京メトロ)有楽町線との相互直通運転を開始した。
- 200412月17日、10月13日に発覚した有価証券報告書の虚偽記載(コクド保有株数の22%過少申告、1,000名以上の名義株による偽装)により、東京証券取引所第一部に上場していた西武鉄道株式が上場廃止となった(11月16日に上場廃止決定)。
- 20062月3日、株式移転により持株会社・西武ホールディングスが発足(2月1日にコクドがプリンスホテルと合併、2月2日に西武鉄道が株式交換によりプリンスホテルの完全子会社化)。この再編により西武鉄道は鉄道事業主体の会社となり、サーベラス・キャピタル・マネジメントが29.9%を保有する西武ホールディングスの筆頭株主となった。
- 20133月16日、地下鉄副都心線(2008年6月14日乗り入れ開始)を経由して東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転を開始。同年、サーベラスは敵対的TOBで西武ホールディングスの持株比率を35%に高めたが、不採算5路線の廃止などの提案は株主総会で否決され、西武ホールディングスは2014年4月23日に東証一部へ上場した。
- 20193月16日、26年ぶりとなる新型特急車両001系「Laview」の運行を開始。2020年6月5日にブルーリボン賞を受賞した。
出典
最終更新:2026年10月16日