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常滑線

Meitetsu Tokoname Line

常滑線(とこなめせん)は、愛知県を走る営業キロ29.3キロメートルの鉄道路線で、私鉄の名古屋鉄道(名鉄)が運営し、名古屋市熱田区の神宮前駅を起点に、知多半島の西岸に沿って南下し、常滑市の常滑駅へと至る。

軌間は1,067ミリメートルの狭軌で、直流1,500ボルトで電化され、全線が複線である。駅数は起終点を含めて23駅。名古屋中心部や沿線の工業地域(東海市の日本製鉄名古屋製鉄所など)への通勤路線であり、2005年に接続する空港線を介して中部国際空港(セントレア)へのアクセス路線となって以降、幹線的な性格を強め、現在は空港特急「ミュースカイ」が走る。

名古屋常滑市弥富市港区半田市大府市中川区5 km
常滑線の路線図 · 愛知県 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は名鉄ではなく、愛知電気鉄道によって建設された。最初の区間は、伝馬駅(後の伝馬町駅)と大野駅(現在の大野町駅)を結ぶ軽便鉄道で、1912年2月18日に開業した。路線はその後1913年にかけて延伸され、1912年8月に秋葉前駅 - 伝馬町駅間、1913年3月29日に大野町駅 - 常滑駅間、そして最後に1913年8月に神宮前駅 - 秋葉前駅間が開業して全通したが、当時はなお全線が単線であった。開業時の愛知電気鉄道は直流600ボルトで運行していた。

1910年代から1920年代にかけて、同社は中間駅を開設し、1920年から1925年にかけて区間ごとに段階的に複線化を進めるなど、着実に路線を改良していった。1924年には大江駅から分岐する築港線が開業し、大江駅は分岐駅となった。1929年1月18日には全線の架線電圧が直流600ボルトから直流1,500ボルトへ昇圧され、これは現在もこの路線が用いている方式である。

1935年8月1日、愛知電気鉄道は名岐鉄道と合併して現在の名古屋鉄道(名鉄)となり、以後、常滑線は名鉄の路線網の一部として運営された。1942年には、東海道本線を挟んだ反対側に神宮前駅(西駅)が別に開業し、多くの列車がここを発着駅としたが、この体制はのちに縮小されていった。1950年7月10日のダイヤ改正で名古屋本線との直通運転が始まり、1963年からは全旅客列車が名古屋本線へ直通するようになって、西駅の定期旅客列車は廃止された。

1959年9月、伊勢湾台風が甚大な被害をもたらし、高潮による浸水で路線の一部が水没した。同年11月15日に不通区間がなくなって全線で運転が再開されたが、水没区間では海上に敷設した単線の仮線上を、海水が排水されるまで列車が走行した。路線の複線化は、1972年3月12日に多屋駅 - 常滑駅間が複線化されて、ようやく完了した。戦後の数十年にわたり、当線の優等列車は名鉄の特急・優等列車運行の変化を反映して、たびたび再編された。

当線の現代史を決定づけた変化は、中部国際空港の開業とともに訪れた。その準備として、榎戸駅 - 常滑駅間は高架工事のため2002年1月26日から休止され、代行バスが運行されたうえで、2003年10月4日に新たな高架線上で運転を再開した。接続する空港線は、常滑線を延長する形で2005年1月29日に開業し、常滑線は新空港へのアクセス路線として位置づけられた。これにあわせて新種別「快速特急」が設定され、快速特急「ミュースカイ」の運行が始まった。

空港連絡により、当線は名古屋本線並みに幹線的性格を強め、運転速度も向上した。2008年12月27日には「ミュースカイ」が独立した種別となり、2000系を使用した全車特別車の快速特急・特急がこの種別に移行した。ミュースカイは現在、常滑線・空港線を経由して名古屋中心部とセントレアの間を結ぶ空港特急である。常滑線には普通・急行・空港特急が走り、全駅でmanacaおよび全国相互利用対応の交通系ICカードが利用できる。

この路線の駅

年表

  • 19122月18日:愛知電気鉄道が最初の区間である伝馬駅(後の伝馬町駅) - 大野駅(現・大野町駅)間を軽便鉄道として直流600Vで開業。
  • 19128月1日:秋葉前駅 - 伝馬町駅(伝馬駅から改称)間が開業。
  • 19133月29日:大野町駅 - 常滑駅間が開業。
  • 19138月:神宮前駅 - 秋葉前駅間が開業して全通。当時はなお全線単線であった。
  • 19241月15日:大江駅から築港線が開業し、大江駅が分岐駅となる(同日に大江駅を移転)。
  • 19256月19日:柴田駅 - 名和村駅間を複線化し、1920年から区間ごとに進められてきた大江駅 - 大野町駅間の複線化が完了。
  • 19291月18日:全線の架線電圧を直流600Vから直流1,500Vに昇圧。
  • 19358月1日:愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して名古屋鉄道(名鉄)となり、以後同社が当線を運営する。
  • 19427月10日:伝馬町駅 - 神宮前駅(西駅)間が複線で開業。西駅は東海道本線を挟んだ反対側に別に設けられた駅で、多くの列車の発着駅となる。
  • 19507月10日:ダイヤ改正により名古屋本線との直通運転を開始。
  • 19599月26日:伊勢湾台風により甚大な被害を受け、高潮で路線の一部が水没。水没区間に単線の仮線を敷設し、11月15日に全線が復旧。
  • 19633月25日:ダイヤ改正で神宮前駅(西駅)発着の定期旅客列車を廃止し、全旅客列車を名古屋本線へ直通運転とする。
  • 19723月12日:多屋駅 - 常滑駅間を複線化し、全線複線化が完了。
  • 20021月26日:高架工事のため榎戸駅 - 常滑駅間を休止し、代行バスの運転を開始。
  • 200310月4日:榎戸駅 - 常滑駅間が高架化され、運転を再開。
  • 20051月29日:常滑線を延長する形で空港線が開業し、常滑線が中部国際空港(セントレア)へのアクセス路線となる。新種別「快速特急」を設定し、快速特急「ミュースカイ」の運行を開始。
  • 200812月27日:「ミュースカイ」を独立した種別とし、2000系を使用した全車特別車の快速特急・特急をこの種別に移行。ミュースカイは名古屋中心部とセントレアを結ぶ空港特急である。

出典