立山黒部貫光の路線約3分で読めます

鋼索線

Tateyama Cable Car

立山ケーブルカー(たてやまケーブルカー)は、富山県中新川郡立山町にある立山黒部貫光のケーブルカー路線で、富山地方鉄道立山線と接続する立山駅から、室堂方面への連絡バスが発着する美女平駅までの1.3キロメートルを結ぶ。

軌間1,067ミリメートルの単線2両交走式の鋼索鉄道で、高低差は487メートル、最大勾配は560パーミル(約29度14分)である。立山黒部アルペンルートを構成する交通機関の一つであり、車窓からは柱状節理の岩肌を望むことができ、自動放送のアナウンスでも案内される。正式な路線名称は鋼索線(こうさくせん)であるが、同社のもう一つのケーブルカーである黒部ケーブルカーと正式名称が重複していることもあり、案内上は用いられていない。

立山町5 km
鋼索線の路線図 · 富山県 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、立山開発鉄道が千丈ケ原 - 美女平間に地方鉄道を敷設しようとした計画から生まれた。敷設免許の申請は1952年8月に運輸審議会へ諮問され、同年8月22日に同審議会が免許することが適当であると答申した。建設は1952年12月8日に着工された。ケーブルカーは当初1954年8月1日の営業開始を予定していたが、レールの敷設高さや線路導滑車の仕様が設計と異なったことで脱索が発生したため対策を行い、8月10日に竣工検査をパスして、8月13日付で営業運転開始の認可を得た。

こうして路線は1954年8月13日、立山開発鉄道によって千寿ヶ原 - 美女平間で開業した。下部の起点である千寿ヶ原駅は、1954年10月24日に竣工している。ケーブルカーは旅客だけでなく貨物も運ぶ役割を担っており、客車の下(立山側)に貨車を連結して運行されることが多く、立山駅へ降りる側の列車では車掌がその貨車の下端に設けられた乗務員室に乗務する。

1955年7月1日、美女平 - 弘法間で立山高原バスの運行が開始されたが、当時は美女平へ至る道路がまだなかったため、バス自体をケーブルカーの貨車に載せて美女平まで運び上げた。その際、狭いトンネルを通すためにバスのタイヤの空気を抜いた。桂台から美女平への道路が完成したのは1970年のことであった。

1969年5月28日には、第20回全国植樹祭に合わせて富山県を訪れた昭和天皇と香淳皇后が同線に乗車している。1970年7月1日には、それまで千寿ヶ原駅と称していた下部の起点が立山駅に改称され、現在の駅名となった。

車両と経営は2000年代に変化した。2代目車両は2003年4月10日に運行を開始した。そして2005年10月1日、運営していた立山開発鉄道が立山黒部貫光に合併され、ケーブルカーは同社の路線となった。この経緯から、立山黒部貫光には正式名称をいずれも鋼索線とする異なる二つのケーブルカーが共存している。2022年5月3日には、立山有料道路が落石で通行止めとなった影響で、最大3時間待ちの行列が生じた。

設備の老朽化を受けて、2018年からケーブルカーに代えて立山 - 美女平間をロープウェイで結ぶ構想が検討された。しかしこの構想は2025年5月30日に断念が発表され、現状のケーブルカーの設備を更新することとなった。所要時間は7分で、乗車時間指定制をとり、通常は20分間隔で運行される。冬期は毎年12月1日から翌年3月31日まで運休する。

この路線の駅

本マップ収録の全4駅(五十音順)。各駅を選ぶとその駅のページを開けます。

年表

  • 19528月22日:運輸審議会が、立山開発鉄道による千丈ケ原 - 美女平間の地方鉄道敷設について、免許することが適当であると答申。
  • 195212月8日:ケーブルカーの建設に着工。
  • 19548月13日:立山開発鉄道により千寿ヶ原 - 美女平間が開業。8月1日開業予定だったが脱索の問題で延期となり、8月10日に竣工検査をパスした。
  • 195410月24日:下部の起点である千寿ヶ原駅(後の立山駅)が竣工。
  • 19557月1日:美女平 - 弘法間で立山高原バスの営業開始。美女平への道路がなく、バスはケーブルカーの貨車で運び上げられ、狭いトンネルを通すためタイヤの空気を抜いた。
  • 19695月28日:第20回全国植樹祭に合わせ富山県を訪れた昭和天皇・香淳皇后がケーブルカーに乗車。
  • 19707月1日:千寿ヶ原駅を立山駅に改称。
  • 20034月10日:2代目車両が運行を開始。
  • 200510月1日:立山開発鉄道が立山黒部貫光に合併され、立山黒部貫光の路線となる。
  • 20225月3日:立山有料道路が落石で通行止めとなった影響で、最大3時間待ちとなる。
  • 20255月30日:2018年から検討されてきた、立山 - 美女平間をロープウェイで結ぶ構想の断念が発表され、現状のケーブルカー設備を更新することとなる。

出典