歴史
二つの母体のうち古いほうは、軌間762ミリメートルの軽便鉄道であった西尾鉄道である。その最初の区間である岡崎新 - (旧)西尾間は、1911年10月30日に西三軌道という会社によって開業し、同社は1912年1月25日に西尾鉄道へと社名を変更した。東海道本線の岡崎と、西三河南部の西尾・平坂・吉田といった街を結ぶべく、西尾鉄道は西尾以南へ段階的に線路を延ばし、1915年2月に西尾 - 一色口間を開業、同年8月に(旧)吉良吉田に達し、さらに1916年2月には吉田港までの短い区間も開業させた。
もう一方の母体である碧海電気鉄道は、名鉄の前身である愛知電気鉄道(愛電)の傍系会社として発足し、親会社と同様、直流1,500ボルトの電化で開業した。1926年7月1日に今村(現在の新安城) - 米津間を開業し、1928年に西尾まで延伸して、同年10月に愛知電気鉄道西尾線との直通運転を開始した。
この二つの系統は、愛知電気鉄道のもとで結び付けられた。1926年12月1日、愛電は西尾鉄道を合併し、岡崎新 - 西尾 - 吉田港間を西尾線とした。碧海電気鉄道の路線との直通を可能にするため、愛電は1928年から1929年にかけて旧・西尾鉄道を762ミリメートルから1,067ミリメートルへ改軌して直流600ボルトで電化し(最後に残った岡崎新 - 西尾間は1929年4月1日)、碧海電気鉄道も高速運転の方針を捨て、自社の電圧を600ボルトへ降圧してこれに合わせた。
名鉄は1930年代から1940年代にかけて形を成した。1935年8月1日、愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して名古屋鉄道(名鉄)が成立し、路線は名鉄西尾線となった。1944年3月1日には名鉄が碧海電気鉄道を合併し、今村 - 西尾 - 三河吉田間は碧西線として再編されたのち、1948年5月16日に再び西尾線へと改称された。
1943年12月16日、岡崎新 - 西尾間の旧・西尾鉄道区間が戦時不要不急路線として休止された。そのうち岡崎駅前 - 福岡町間の2.5キロメートルは1951年12月に福岡線として復活したものの、福岡町 - 西尾間は1959年11月25日に廃止され、復活した福岡線自体も1962年6月17日に廃止されて、現在の新安城 - 吉良吉田間のみが残った。1960年3月27日のダイヤ改正で全線の架線電圧が1,500ボルトへ昇圧され、蒲郡線との直通運転が再開された。三河吉田駅は1960年11月1日に吉良吉田駅へ改称され、今村駅は1970年に新安城駅へ改称された。
現代において西尾線は、名古屋本線からの頻繁な直通列車を擁する通勤路線として定着した。特急・急行・普通が運転され、1992年には昼間帯の名古屋本線直通列車が線内で急行運転を始めた。2008年のダイヤ改正前後の大規模な改良では、桜井 - 米津間に南桜井駅が新設され、桜井駅付近が高架化されるとともに、桜井 - 南桜井間と西尾口 - 西尾間が複線化された。2008年6月29日の改正では蒲郡線との直通運転も終了した。2019年3月16日の改正では南桜井駅が急行停車駅へ昇格し、線内の準急が廃止されて、現在この路線を走る種別は特急・急行・普通となっている。
この路線の駅
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年表
- 191110月30日:西三軌道が岡崎新駅 - (旧)西尾駅間を軌間762mmの軽便鉄道として開業(後の西尾鉄道区間の起こり)。
- 19121月25日:西三軌道が西尾鉄道に社名変更。
- 1915西尾鉄道が西尾以南を延伸し、西尾 - 一色口間(2月13日)を開業、(旧)吉良吉田に到達(8月5日)。
- 19267月1日:愛知電気鉄道傍系の碧海電気鉄道が今村(現・新安城) - 米津間を直流1,500Vで開業。12月1日:愛知電気鉄道が西尾鉄道を合併し、岡崎新 - 吉田港間を西尾線とする。
- 192810月1日:旧西尾鉄道の一部区間を762mmから1,067mmに改軌し直流600Vで電化。碧海電気鉄道が西尾まで延伸し、愛電西尾線との直通運転を開始。
- 19294月1日:岡崎新 - 西尾間を762mmから1,067mmに改軌し直流600Vで電化(旧西尾鉄道区間の改軌完了)。
- 19358月1日:愛知電気鉄道と名岐鉄道が合併して名古屋鉄道が成立し、名鉄西尾線となる。
- 194312月16日:旧・西尾鉄道の岡崎新 - 西尾間が戦時不要不急路線として休止。
- 19443月1日:名鉄が碧海電気鉄道を合併し、今村 - 三河吉田間を碧西線として編入。
- 19485月16日:碧西線を西尾線と改称。
- 19603月27日:全線の架線電圧を1,500Vに昇圧し、蒲郡線との直通運転を再開。11月1日:三河吉田駅を吉良吉田駅に改称。
- 19626月17日:復活していた福岡線(旧岡崎新 - 西尾間のうち岡崎駅前 - 福岡町間の残存区間)が廃止され、現在の新安城 - 吉良吉田間のみとなる。
- 20086月29日:ダイヤ改正で桜井 - 米津間に南桜井駅が開業し、蒲郡線との直通運転を終了。同月にはこれに先立ち、桜井駅付近の高架化と、桜井 - 南桜井間および西尾口 - 西尾間の複線化が行われた。
- 20193月16日:南桜井駅が急行停車駅に昇格し、線内の準急が廃止される(特急・急行・普通の運転となる)。
出典
最終更新:2026年10月16日