歴史
この路線の構想は長い歴史を持つ。1922年の改正鉄道敷設法に予定線として記載され、1961年に調査線、1962年に工事線として採択された。1964年には運輸大臣が建設の基本計画を定めて日本鉄道建設公団に工事の実施を指示し、1966年に工事実施計画が認可されると、同年5月29日に起工式が行われ、6月21日に智頭線の建設が始まった。当初は日本国有鉄道(国鉄)の建設線として着工された路線で、5,592メートルの志戸坂トンネルをはじめとする長大トンネルを擁する。
工事は完成を前に中断された。国鉄再建法の施行に伴い、1980年12月27日に建設が凍結された。この時点で用地の95%が取得されていた。地元の関係者は路線を放棄せず、第三セクター鉄道として完成させる方向に動いた。鳥取県が運営会社の設立を後押しし、1986年5月31日に智頭鉄道株式会社として設立された。同年12月に運輸大臣が地方鉄道事業の免許を交付し、再建法の特例規定に基づいて1987年に建設が再開された。
工事再開後、計画は高速運転対応へと格上げされた。1991年11月に高速化対応の事業基本計画変更が認可され、接続するJR西日本因美線区間の関連改良も同年12月に認可されて、1992年3月12日に高速化対応工事が始まった。1992年4月2日には平福駅付近で6両編成の工事用列車に別の工事用列車が衝突し、作業員3名が圧死した。全線のレール敷設は、1994年6月23日に大原駅構内で行われたレール締結式をもって完了した。会社自体も開業に先立つ1994年6月に智頭急行株式会社へと商号を変更した。
智頭線は1994年12月3日に開業した。開業初日からJR西日本の新しい特急「スーパーはくと」が当線を走り、開業時は3往復に加えて臨時の「はくと」1往復が設定され、この路線を高速の短絡路として用いることで関西の諸都市と鳥取の間の所要時間を大幅に短縮した。普通列車は上郡 - 大原間で17往復、大原 - 智頭間で12往復が設定された。開業からまもない1995年1月17日の阪神・淡路大震災によりすべての特急列車が運休となり、姫路 - 鳥取間の運転は1月23日に再開、東海道本線・山陽本線が復旧した1995年4月1日に通常運転が再開された。
その後、直通運転の拡充により、当線は関西と山陰を結ぶ動脈としての役割を強めていった。1996年3月16日のダイヤ改正から「スーパーはくと」「はくと」が京都発着となり、1997年11月29日には京阪神方面の特急がすべてHOT7000系使用の「スーパーはくと」となって、1日6往復・全列車にグリーン車を連結する形となった。同じ改正で岡山 - 鳥取間に当線経由の特急(現在の「スーパーいなば」)が新設され、2003年10月1日にはキハ187系に置き換えられて5往復に増発された。
現在は、JR西日本の特急「スーパーはくと」が京都・大阪方面と鳥取の間を、「スーパーいなば」が岡山と鳥取の間を当線経由で結び、あわせて智頭急行自身の普通列車も運転されている。2009年8月には台風第9号による豪雨で一部区間が不通となり、8月29日に通常運転が再開された。また、ICカード乗車券ICOCAが2027年春に上郡・佐用・大原・智頭の各駅へ導入される予定である。
この路線の駅
本マップ収録の全14駅(五十音順)。各駅を選ぶとその駅のページを開けます。
年表
- 1922改正鉄道敷設法第85号に予定線として記載される。
- 1962鉄道建設審議会により工事線として採択される(1961年に調査線として採択)。
- 19665月29日:起工式を開催。6月21日:国鉄の建設線として、日本鉄道建設公団により智頭線の建設に着工。
- 198012月27日:国鉄再建法施行に伴い工事凍結。この時点で用地の95%を取得済み。
- 19865月31日:鳥取県の後押しにより智頭鉄道株式会社として設立。12月25日:運輸大臣から地方鉄道事業の免許状を交付。
- 1987再建法の特例に基づき智頭線建設工事を再開。
- 199111月19日:高速化対応の事業基本計画変更を認可。12月19日:JR西日本因美線区間の鉄道施設変更を認可。
- 19923月12日:高速化対応工事に着手。4月2日:平福駅付近で6両編成の工事用列車に別の工事用列車が衝突し、作業員3名が圧死。
- 19946月:智頭急行株式会社に商号変更。6月23日:大原駅で全線のレール敷設を完了。12月3日:智頭線が開業し、初日からJR西日本の特急「スーパーはくと」3往復が運転。普通列車は上郡 - 大原間17往復・大原 - 智頭間12往復。
- 19951月17日:阪神・淡路大震災で全特急が運休。1月23日に姫路 - 鳥取間で運転再開、4月1日に東海道・山陽本線復旧で通常運転再開。
- 19963月16日:ダイヤ改正により「スーパーはくと」「はくと」が京都駅発着となる。
- 199711月29日:京阪神方面の特急がすべてHOT7000系「スーパーはくと」6往復となり、全列車にグリーン車を連結。岡山 - 鳥取間にキハ181系の特急が運転開始(2003年10月1日にキハ187系に置き換えて5往復に増発。現在の「スーパーいなば」)。
- 20098月10日:平成21年台風第9号の豪雨で一部区間が不通となる。8月29日に通常運転再開。
出典
最終更新:2026年10月16日