京福電気鉄道の路線約3分で読めます

嵐山本線

Keifuku Arashiyama Main Line

嵐山本線(あらしやまほんせん)は、京都市下京区の四条大宮駅から右京区の嵐山駅までを西に結ぶ、京福電気鉄道が運営する営業キロ7.2キロメートルの軌道路線である。軌間は1,435ミリメートルの標準軌で、全線複線・直流600ボルトの架空電車線方式で電化されている。軌道法による路面電車で、最高速度は40キロ毎時である。

接続する北野線とともに「嵐山線」を構成し、通称の「嵐電(らんでん)」で広く知られ、全13駅に路線記号Aが付されている。嵐山をはじめとする洛西エリアの観光地への行楽路線であるとともに、繁華街である四条通へ出るための足ともなっている。路線の大部分は新設軌道であり、西大路三条駅―山ノ内駅間と蚕ノ社駅・太秦広隆寺駅付近が併用軌道となっている。

京都中京区下京区西京区南区2 km
嵐山本線の路線図 · 京都府 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線を開業させたのは、1907年(明治40年)8月に神戸の川崎財閥が設立した嵐山電車軌道である。社長は松方五郎で、取締役には川崎芳太郎が名を連ねた。軌道特許状はそれに先立つ1906年(明治39年)12月17日に下付されていた。同社は鉄道事業と並んで電気供給事業も兼業していた。

軌道は1910年(明治43年)3月25日に開業し、当時京都駅と呼ばれていた現在の四条大宮駅と嵐山を結んだ。開業時に用意されたのは、川崎造船所製の木製単車20両であった。しかし嵐山電車軌道の電気供給事業は京都電燈と競合することとなり、1918年に同社は京都電燈に合併され、以後、軌道は嵐山電鉄部の下で運営されることとなった。

京都電燈の下で路線は着実に改良された。太子前駅―嵐山駅間は1925年(大正14年)2月に複線化され、全線の複線化は1928年(昭和3年)12月に完成した。この間には駅名の改称も相次ぎ、1925年11月16日には京都駅が四条大宮駅に改称された。1935年(昭和10年)6月には京都水害で紙屋川・天神川が出水して全線が不通となり、7月3日に運行を再開した。1942年(昭和17年)3月2日には、路線は新たに発足した京福電気鉄道に譲渡され、以来同社が運営を続けている。

鹿王院駅が1956年に開業する一方、東端に近い壬生駅は1971年に廃止された。ワンマン運転は1982年12月から段階的に導入され、1987年8月までに終日運転へと拡大された。2002年7月1日には大人200円の均一運賃が、スルッとKANSAIとともに導入され、2013年3月23日には交通系ICカードの全国相互利用が始まった。この路線は2路線からなる嵐山線の一方をなし、もう一方は帷子ノ辻駅(A8)で分岐する北野線で、早朝に西院駅を始発とする列車2本は北野線の北野白梅町駅まで直通している。

京福は2006年度に「嵐電ブラッシュ・アップ プロジェクト」を始めた。2007年3月19日には嵐山本線と北野線が「嵐電」の名のもとに統一され、観光名所の最寄り駅などの7駅が改称されるとともに、駅番号とラインカラーが全線で正式に導入された。長らく京都市営地下鉄の路線網から孤立していた軌道網は、2008年1月に地下鉄東西線が太秦天神川まで延伸したことで接続を得て、それに合わせて京福は2008年3月28日に嵐電天神川駅を開業した。2011年5月からは、同社はヤマト運輸の宅急便を路面電車で運ぶ取り組みも始め、2両編成のうち1両をヤマト運輸の貸切車両とした。

嵐山本線と北野線の沿線には、世界遺産をはじめとする多くの観光地がある。列車の大部分は四条大宮―嵐山間の全線を通して走り、通常は1両単行である。日中は10分間隔、1時間に6本で運転され、ラッシュ時や観光シーズンには2両編成となる。2023年8月26日のダイヤ改正では2両編成がラッシュ時の全列車に拡大される一方、ラッシュ時の運転本数は削減された。

この路線の駅

年表

  • 190612月17日:軌道特許状が下付される。
  • 19078月:神戸の川崎財閥により嵐山電車軌道が設立される(社長松方五郎、取締役川崎芳太郎)。
  • 19103月25日:嵐山電車軌道により京都駅(現・四条大宮駅)―嵐山駅間が開業。川崎造船所製の木製単車20両で運転された。
  • 19184月2日:京都電燈が嵐山電車軌道を合併し、路線は嵐山電鉄部の下に置かれる。
  • 19252月:太子前駅―嵐山駅間が複線化。11月16日:京都駅を四条大宮駅に改称。
  • 192812月:全線の複線化が完成。
  • 19356月29日:京都水害で紙屋川・天神川が出水し全線不通。7月3日に運行再開。
  • 19423月2日:京福電気鉄道に譲渡され、以来同社が運営を続けている。
  • 195611月27日:鹿王院駅が開業。
  • 19717月11日:四条大宮駅―西院駅間の壬生駅が廃止。
  • 198212月20日:早朝・深夜時間帯でワンマン運転を開始。
  • 19878月17日:終日ワンマン運転化。
  • 20027月1日:均一運賃化(大人200円・小児100円)と同時にスルッとKANSAIを導入。
  • 20073月19日:嵐山本線・北野線を「嵐電」に統一。7駅を改称し、駅番号とラインカラーを全線で正式導入。
  • 20083月28日:嵐電天神川駅が開業し、同年1月に太秦天神川まで延伸した京都市営地下鉄東西線と接続。
  • 20115月:ヤマト運輸の宅急便を路面電車で運ぶ事業を開始し、2両編成のうち1両を貸切車両とする。
  • 20133月23日:嵐山本線・北野線で交通系ICカードの全国相互利用を開始。
  • 20238月26日:ダイヤ改正でラッシュ時の全列車を2両編成化する一方、運転本数を削減。

出典